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【第一回:こんなに怖い!「ロコモ」に注意】

ロコモティブ・シンドロームとは
ロコモティブ・シンドローム(通称:ロコモ)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
実はこの「ロコモ」とは、2007年に日本で生まれた比較的新しい言葉。
初めて耳にすると、食べ物のようなイメージを持たれるかもしれませんが、ロコモとは
「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることを指す言葉です。

ロコモになるとどうなるの
ロコモには大きく2つの原因があるとされています。
「骨・関節・筋・神経など運動器自体の病気」
「加齢や運動不足による運動機能の低下」
こうして運動不足と運動機能低下が悪循環を繰り返してしまうと、最後には「寝たきり」
から「死」に至ることもある恐ろしい疾病です。もちろん、運動機能が低下してしまうと、
行きたい所に行けなかったり、やりたい事が出来なくなるなど、
生活の質(QOL quality of life)の低下につながります。ロコモにはならないように、
日ごろから予防に心がけていきましょう。

大事なのはロコモを「予防」すること
日本整形外科学会では、ロコモの予防のために「開眼片脚立ち」や「スクワット」を
ロコモ用のトレーニング(ロコトレ)として紹介しています。ですが、正直に言って面白く
ありませんし、あまりやる気も起こりませんよね。
ウォーキングやジョギング、水泳、テニス、サッカーなどのスポーツで、楽しみながら
ロコモを予防しましょう!
ロコモ予防に効果的な運動は「歩く」こと
疾病の予防と聞くと、「特別な運動をしないと、予防は出来ないのでは?」と思われるかも
しれません。ですが、ロコモは私たちに一番身近で、誰でも簡単に出来る運動である
「ウォーキング」で予防することができるんです。
厚労省では一日に必要な身体活動量を「歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を
毎日60 分以上」としています。どうして歩行が基準なのかというと、人間にとって歩行
とは基本的な動作であると同時に、最も能率的なトレーニングだからなのです。

どうして「歩く」だけで予防できるの?
実は「2本の足で歩く」という運動は、多くの筋肉を動かす運動神経だけでなく、知覚神経
にも密接に結びついた高度な運動です。脚で体重を支えたり、倒れないようにバランスを
とったり…。周囲の状況を知るためには視覚や聴覚なども必要になってきます。
単純な運動の中に、人間らしさを保つ動作がギュッと凝縮されているんです。
日常でできるロコモ予防
ですが「60分の歩行」をいざ始めるとなると、日常生活の中ではハードルが高く感じてし
まうかもしれません。でも、心配はありません。
例えばサラリーマンだと、毎日の通勤で平均30分ぐらいは歩いていますから、行きと帰り
で15分ずつ多く歩くだけでも十分です。思い切って1駅手前で降りてお散歩してみるとよいかもしれません。
でも、もっと大切なのは歩行を楽しむ環境作りです。折角歩いてロコモを防止しようとし
たのに、足や膝を痛めては何もなりません。衝撃を緩和したり、
捻挫や転倒を防止したりするウォーキング・シューズを準備するのもオススメです。
明日から、ぜひロコモの予防を始めてみてくださいね。